ソーシャルビジネスセミナーin 静岡(講師 秋元祥治氏)

本日7/19(水)は、ふじのくにNPO活動センターで行われた、ふじのくにソーシャルビジネス支援ネットワーク主催の「ソーシャルビジネスセミナーin 静岡~「ソーシャルビジネス」のお悩みを解決~」に参加しました。講師は、G-net創業者であり、岡崎ビジネスサポートセンター(Oka-biz)センター長の秋元祥治さんでした。

 

今回は、Oka-bizでの取り組みというよりは、NPOの創業についてG-net創業の話も含めてストレートにお話いただきました。関係者にとっては痛い話も多かったとは思いますが、とても参考になる内容だったと思います。

 

いろいろな話のなかで、個人的に興味深かったのは、次の3点です。

 

(1) G-netインターンシップ事業に関連して、今の大学生はリクナビマイナビで就職先を探すので、そこに載っていなければ大学生にとって存在しないのと同じ。岐阜県で調べたら、中小企業83,000社のうちわずか180社しか掲載されていなかった。

現状の中小企業は、そもそも勝負の土俵にも載っていないということですね。人口減少対策としても重要なポイントだと思います。また、NPOの活動も、ネットで検索して見つからなければ同様ですね。

 

(2) NPO法人制度ができた10年前だったら、NPO(市民活動)支援センターの役割は、法人設立運営手続きのサポートや印刷設備等の提供で良かったが、これからは事業支援、経営コンサルであるべきだ。

事業支援については、従来のNPO(市民活動)センターが担うというよりは、起業(産業)支援センターに関わってもらった方が取扱件数から考えても適当かと考えています。起業(産業)支援センターとの連携をどのように深めていくのか重要だとあらためて感じました。

 

(3) 成果の定量化の重要性。いかにわかりやすく成果を定量化するか。それとともに、定性的な物語ストーリー。これをバランス良く発信していくことが重要である。

endevour impact reportというものをご紹介いただきました。同じものかわかりませんが、次の資料が同じ団体のものだと思います。数字の表現の仕方も興味深いです。

http://endeavor.uberflip.com/i/740826-endeavor-impact-report-2015-2016/0?

 

他にもいろいろな話がありましたが、とても参考になるとともに、自分の考えを整理するよい機会にもなりました。

 

このような機会を提供いただいた、日本政策金融公庫をはじめとする、ふじのくにソーシャルビジネス支援ネットワークの皆さま、ふじのくにNPO活動センターの皆さま、ありがとうございました。

※上記の見解は個人としての見解であり、所属している組織の見解ではありません。

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非営利組織の法人税、収益事業課税のセミナー

7月12日(水)に日本財団ビルで行われた、「脇坂税務会計事務所×日本財団CANPAN・会計セミナー NPO法人一般社団法人・財団法人(非営利型)の法人税~収益事業課税を中心として~」に参加しました。

脇坂税務会計事務所X日本財団CANPAN・会計セミナー第4弾 NPO法人、一般社団・財団法人(非営利型)の法人税~収益事業課税を中心として~2017年7月12日(水)午後・東京 /トピックス | CANPAN

勘違いされている方も多いのですが、いわゆるNPO法人などの非営利組織も収益事業を行うことがあります。営利、非営利というのは、剰余金を分配するか、しないかの違いです。課税対象となる収益事業かどうかとは別問題です。

戦前は公益法人等は非課税だったこと。戦後のシャウプ勧告で営利法人と同様の事業には課税するように言われたものの、個別に判断するのは大変なので、主として営利法人と競合する事業を指定して課税することになったというのは興味深かったととともに、原理原則を理解するうえで参考になりました。

参加者からは、行政からの委託事業などの扱いについて、細かな点についての質問も多く出されていました。また、個人的には、実費弁償契約について細かなところが知りたかったので、その点にも触れていただいて、とても勉強になりました。

具体的な事業が収益事業に該当するのか、一概に言えないものも多いので、参加者の間でモヤモヤ感が漂っていました。ただ、個人的には、全体としてどのように考えればよいのか、原理原則と例外の考え方を理解することができて、とてもスッキリしました。

その他にも、一般社団法人の非営利型について勘違いしていたところを教えていただいたり、普通に本を読んでいては誤解してしまいそうなところを教えていただき、とても充実したセミナーでした。

いつもながら、軽妙な語り口で、微妙に話しづらいことも話してくださった講師の脇坂さんにはとても感謝です。

さいごに質問です。セミナー中にも話題になったのですが、子ども食堂についてです。子ども食堂も形式的には収益事業とされている飲食業に該当しますが、さて、無料の場合、1食100円の場合、1食300円の場合…など、どのように考えればよいでしょうか。結構悩みますね。

 

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ヤフーの1 on 1は人材開発のデパート

先日、久しぶりにラーニングイノベーション論の講義の聴講しました。

場所はヤフーのコワーキングスペースLODGEです。

一度行ってみたかったのですが、ようやく行くことができました。

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この日のメインテーマの一つであるYahoo!の人事制度の1 on 1

この1 on 1については、3年前に初めて知りました。

1 on 1とは、Yahoo!で行われている上司と部下が30/週面談する制度。

 

この1 on 1について、たぶんずっと誤解していたのは、面談によってコミュニケーションをとることで、関係改善を図るようなイメージを持っていたことです。

あらためて1 on 1の制度について学んで気づいたのが、一番の目的が経験学習を促進することであるということです。

思い出すと、3年前もそう言われていたのですが、今になってようやく理解できました。

 

人が経験から学ぶとき、具体的に経験する内省する教訓を引き出す新しい状況に適用するという経験学習サイクルをまわすことによって成長します。

この経験学習サイクルを自分自身でまわすのは結構難しい。これを上司からの問いという形で引き出すのが、ある意味1 on 1の一番の目的であると理解しました。

 

オマケといっては何ですが、面談をすることによってコミュニケーションを図ることができますから、そういった副次的な効果もあります。その際にコーチングのスキルなども活かすことができます。さらにフィードバックのスキルも重要になってきます。

 

ある意味で、1 on 1という制度は、人材育成のデパートのような制度だと思います。

経験学習を中心にしつつ、コーチング、フィードバックなど、人材育成のさまざまなスキルがそこに加わる。

それだけではなく、この制度を浸透させるための仕組みなど、人材開発に関する総合力が試される制度です。

本当にとても興味深い制度です。

 

今年の3月に、1 on 1についての書籍が発売されているので、じっくり読みたいと思います。

 

ヤフーの1on1(部下を成長させるコミュニケーションの技法)

本間 浩輔 著

http://amzn.asia/f5GxsJT

 

※1 on 1を理解するうえで必要な「経験学習」については、次の本がオススメです

「経験学習」入門  松尾 睦 著

http://amzn.asia/7oHvgiP

 

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准ファンドレイザー認定必修研修を受講しました。

准ファンドレイザー認定必修研修を受講してきました。

 会場は神奈川県の海老名にあるリコーのFuture Hallというオシャレな施設でした。

 

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 ファンドレイジングというのは、非営利組織が活動のための資金を集める行為をいいます。

 

英語だとわかりにくいのですが、日本語にすれば「資金調達」のことです。

寄附等により資金を集め、非営利組織に仲介する役をファンドレイザーといいます。

非営利組織の資金調達の専門家という感じです。

 

昨年度から仕事として市民活動支援を担当していますが、非営利組織の最大の課題である資金調達のことを知らずして仕事ができるか!ということで、ざっくり全体を知るために、この講座を受けてきました。※仕事ではなくプライベートでの受講です。

 

テキストは赤いバインダーに綴じられていて、約350ページのボリューム。なかなか迫力がありました。

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1日研修でしたが、ファンドレイジングとは?から始まって、資金調達する前に団体としてすべきこと、活動をどのように社会に伝えればよいのか、寄附を促進する心理的効果、会計や税制、会員制度、寄附、助成金などなど、資金調達全体を網羅する内容でした。講師の方が、ジェットコースターのような内容量と言っていましたが、幅広くてそのとおりでした。とても面白かったです。

 

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私の場合、ソリューション・フォーカスという心理系の問題解決手法を用いていますし、人材育成も学んでいます。税金の仕事も経験がありますし、自分自身、毎年一定金額の寄附をしていますので、寄付者としての側面ももっています。さらに、仕事でもNPO法人の認証等もしていますので、割とすんなりと、すでに持っている知識と今回の研修内容とを関連付けることができ、知識の活用の幅が広がりました。

 

せっかくなので、もう少し勉強して、准ファンドレイザー認定試験を受けてみようかと思います。

 

講師の徳永 洋子さん、脇坂 誠也さん、浅井 美絵さん、ありがとうございました。

 

※帰りは小田原経由で帰りましたので、小田原駅で駅弁の小鯵押寿司を買って新幹線の車内でいただきました。

 

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参考

【東京・神奈川・大阪・岩手開催】体系的にファンドレイジングを学べる唯一の基礎研修 | イベント・研修・スクール | 日本ファンドレイジング協会

 

「非営利団体の資金調達ハンドブック」(徳永 洋子 著)出版記念セミナー

5/11(木)に日本財団ビルで行われたCANPANセミナー非営利団体の資金調達ハンドブック」出版記念セミナーに参加しました。

 「非営利団体の資金調達ハンドブック 」徳永 洋子 著(時事通信社

http://amzn.asia/8iEUerX

非営利団体の資金調達ハンドブック」出版記念セミナー

http://canpan20170511.peatix.com/?lang=ja

 私は、昨年4月から、非営利団体NPO)を支援する仕事を担当していますが、この1年でいろいろ書籍等を読んで学んできました。ビジネス書や仕事術の講師もしている私が、NPOに関する書籍を探すなかで気づいたのは、いわゆるハウ・ツー本が少ないということです。

もちろん、ハウ・ツー本がないわけではありません。いわゆる手続き(NPO法人の設立認証、税金、労務など)についての本は、まだまだ難しいものが多いものの、出版されています。これに対して、非営利団体の抱えている課題は、資金がない、広報力がない、人材がいない、という「3ない」です。そういった悩みを解決するための具体的なハウ・ツー本が少ないのです。

いわゆるNPOの方は、非常に前のめりの方が多くて、自らが取り組んでいること、行いたいことについては熱く語ります。しかし、その活動を継続、維持するために必要な事務や資金調達、広報などについては苦手な方が非常に多い印象があります。その意味で、本来やりたいことにできるだけ時間を割き、資金調達や広報について短期間でノウハウを学ぶ本として、現時点で本書は最適な本だと思います。

著者の徳永洋子さんの語りも、とても熱い想いが伝わってきました。しかし、実際の著書では、普通の!?売れるビジネス書同様、難しいことをわかりやすい言葉で書かれていました。

この点について、セミナーの中で、出版社の編集者の方、そして本書が出版されるきっかけとなった出版セミナーを主催された方から、伝えたいことよりも、読者が読みたいことを書くといったアドバイスがあったとの話もありました。熱い想いをそのまま書いても伝わらないことが多いですし、専門用語のままでは読んでもらえません。その意味で、今回の出版は、熱い想いを持った著者がいて、その言葉を「翻訳」を手助けする方たちがいたということで、「翻訳」してくれる人材の重要性を再認識しました。

なお、5/18(木)には、NPO法人企画のたまご屋さんによる「NPOが本を出すということ~ファンを増やそう!!どんなことが、本になるの?」というタイトルで、NPOのための出版セミナーが開催されます。

NPOが本を出すということ~ファンを増やそう!!どんなことが、本になるの?~(日本財団CANPAN・NPOフォーラム)2017年5月18日(木)夜・東京 | Peatix

本書は、発売から1か月強で重版が決まったとのこと。これから非営利活動を始める方にとって文字通りハンドブックとなるとともに、すでに活動をされている方も、いまいちど本書を読んで自身の活動を振り返る機会になればいいと思います。この本を題材に、勉強会などを開催できるといいですね。

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森のようちえん全国交流フォーラム2015の報告会

今日は静岡市内にある森のようちえん「野外保育ゆたか」代表の京井麻由さんによる、森のようちえん全国交流フォーラム2015の報告会を、実際にお子さんを預けていらっゃる保護者の皆さんと一緒に聴きました。

 

yhyutaka.com


森のようちえん全国交流フォーラムin長崎・いさはや

http://forum2015.morinoyouchien.org

京井さんは、鳥取県と長野県で始まった認証制度に興味があり、「森のようちえんの社会化と行政の関わりについて」という分科会に参加されたとのことでした。

 

鳥取県では、数年前に智頭町で森のようちえんの運営費への助成が始まりました。そして平成27年度は、県が国の地方創生先行型交付金を活用し、県が1/2、利用定員に応じて園児一人あたり22,650円~27,370円(事業費は15,684千円)を助成する制度、「とっとり森・里山等自然保育認証制度」が始まりました。来年度以降も国の交付金がなくても実施するとのことです。金銭的な支援は全国でも鳥取県だけです。

 

とっとり森・里山等自然保育認証制度

http://www.pref.tottori.lg.jp/239563.htm

 

鳥取県では、森のようちえんの存在を理由に移住した人たちも出てきたので、特に人口の少ない鳥取県を動かしたのではないかということでした。

 

長野県では、「信州型自然保育認定制度」という、森のようちえんに限らず、信州の豊かな自然環境と多様な地域資源を活用した、屋外を中心とする様々な体験活動を積極的に取り入れる保育・幼児教育を行っている団体を対象に、認定制度が始まったそうです。認定園の研修交流会、指導者派遣、日本自然保育学会等との連携などの支援事業が計画されています。

 

信州型自然保育認定制度

https://www.pref.nagano.lg.jp/jisedai/kyoiku/kodomo/shisaku/shizenhoiku-ninteiseido.html

 

長野県で興味深いのは、担当者が保育でなく、次世代サポート課という青少年育成の部署であること。子どもの自己肯定感が低いことをたどっていくと幼児期に行き着き、この事業を始めたという経緯があるそうです。

 

参考として、国立青少年教育振興機構による「高校生の生活と意識に関する調査報告書」(H27.8)も紹介されていました。

http://www.niye.go.jp/kenkyu_houkoku/contents/detail/i/98/

 

今後の期待として、首都圏からの移住や地方創生の効果であったり、子育て本来の楽しさが実感できる保育が広がることで、一家族あたりの子どもの数が増えることが期待されているようです。

 

従来、森のようちえんの研究は、理論と実践が分かれていて、実践をしている人たちからすると、理論で語られていることに違和感があったようです。そういったこともあり、今月(11月)1日に、日本自然保育学会が設立されました。学問知と実践知の対話の可能性が探られることが期待されています。

 

日本自然保育学会facebookページ

https://www.facebook.com/shizenhoiku/

 

なぜ幼児期に体験活動が重要かという話もありました。新しい時代には「真に学んでいく力」が必要。単に知識や技能を増やすのではなく、知識、技能を活用して、自ら課題を発見し、その解決に向けて探求し、成果等を表現するために必要な思考力、判断力、表現力等の能力。主体性を持ち、多様な人々と協働しつつ学習する態度が求められるとされています。森のようちえんのように、自然の中で保育を行うことで、そういった力を得ることができると考えられているようです。

 

興味深いのは、森のようちえんについては、全国で動きがあるものの、行政のどの部署が担当するのかというのがバラバラで混沌としているようです。具体的には、保育、幼児教育、青少年育成、林業などです。

 

私も子どもに関わるいろいろな現場の方々のナマ声を聴かせていただいたのですが、正直なところ福祉、特に保育の絡みで森のようちえんを語ると、助成することの引き換えに、いろいろな制約がかかるような気がしています。林業の切り口は面白いというか、金銭的な話としては、たぶんいちばん自由な気がします。青少年育成というのは初めて知ったのでまだよくわかりませんが、意外と中間的で良いのかもしれません。

 

野外保育ゆたかとしては、普通の幼稚園でも野外保育の良さを取り入れてほしいと思っているし、野外保育についての社会的な情報発信していきたいので、認証制度があるならのっかりたい。ただ活動に制約がででくるなら、ちょっと考えますとのことでした。

 

実際にお子さんを預けている保護者の皆さんのナマ声は、次のような感じでした。

 

保護者が好きな大人の幼児期を振り返ると豊かな自然の中で育っていることがある。子どもにもそういうチャンスを与えたい。義務教育は小学生なので、その前までなら何があってもいいのではないか。

 

3年間実際に預けてみて、子どもが自ら挑戦したり、自然の中で生活する知恵を習得したり、子ども同士で話し合いをしている様子を知ると、子どもの成長を感じられ、野外保育ゆたかに通わせてよかったと思う。

 

研究や実証データが出たからといって、それで良し悪しを語ることはないとおもう。ただ、特に、第一子の場合には子育ての経験がないので、保護者の安心材料になるかもしれない。

 

意外と男性のほうがデータとかを気にして、女性は口コミや経験談から考えるのかもしれない。

 

字を書いたり計算を習ったりしないで小学校に上がるのは心配だった。※実際には、タープの下で本の読み聞かせもしていますし、野外の遊びばかりということはありません。念のため。

 

実証データは、祖父母を説得する材料になるかもしれない。祖父母から、小学校に入ってから座っていられるかなどといった心配の声を聞く。

 

人から聞かれた時に、森のようちえんの良さを言葉では言い表せない。体験してみないとわからないところもある。

 

子どもを幼稚園、保育園に預けるとき、親の利便性から、給食の有無、弁当持ちの回数、送迎の有無を重視してしまう。

 

などなど。

 

ここからは個人的な振り返りです。

 

通常の園舎のある保育園での預かりと、森のようちえんの預かりでは、本質的なところは異ならないと思います。どのように子どもを育てるかは、子どもとの対話などの接し方にあります。

実際に1日「野外保育ゆたか」さんが子どもたちと一緒に過ごしたときに感じたのは、京井さんが、子ども自身が考え行動するように対応していたことです。子ども同士で小さなケンカがあったときも、すぐに介入はせずに根気よく見守り、子ども同士の話し合いを待っていました。これは園舎内か野外とで違いはありません。

ただ、自然という場が持つ力を利用できるというのは、森のようちえんの強みだと思います。子どもたちが散歩ででかけた先の小川では、遊んでいても一定の緊張感を子どもたちがもっていたのに対して、ベースキャンプに戻ってきたら安心したのか、思いっきり走り回って遊んでいたのが印象に残っています。自ら状況を判断していたのです。

それと、字や計算を学ぶのは、意外とiPadなどのアプリでもできます。別に野外だけ、園舎内での教育だけのどちらかにしなければならないわけではありません。暗記だけなら、ICTを活用してタブレット端末などで子どもたちが自分で学ぶこともできたりする時代です。それは家に帰ってからでもできます。家ではできないこと。それを体験させる意味で、私は森のようちえんがとても良いと思っているし、選択肢として選べるのであれば嬉しいし、もっと皆さんに知ってほしいと思います。

 

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異業種社員チームによる「(美瑛町)地域課題解決プロジェクト」報告会に参加してきました(その2)。

(前投稿より続く)

ブレイクの後、美瑛プロジェクトの関係者、具体的には、ファシリテーター、フィールドワーカーとして関わった各社の人事担当者、研修参加者、そして研修の舞台となった美瑛町役場職員の方がステージにあがり、中原先生がインタビューしていきました。
各社の人事担当者から、美瑛プロジェクトに参加した理由として、他流試合、他社の社員とともに取り組むことが違いに気づくこと。ヤフーの本間さんと何かやったら面白そうといった声がありました。
また、フィールドワーカーとして研修参加者の各グループに張り付いた方からは、単語一つから各社で意味が違うため、その認識あわせからしていたチームがあった。企業側の目線と地元美瑛町の目線が違う。このことに関係して中原先生からは、東京で考えて美瑛で調べてこいという話になってしまう。そこをどう切り抜けるかがポイントとの指摘がありました。
研修参加者からは、参加のスタンスが、地域課題解決をしたいという人、リーダーシップ研修ということで参加した人など、温度差があったということ。また、言葉(用語)の意味、話や仕事のスピード、企業文化が違うなど、背景を共有していない研修参加者同士がゼロからチームビルディングをし、課題に取り組んでいくことは非常に困難であるという話がありました。

ある研修参加者は、この経験を通じて、会社の中でもできるだけ自分の言葉をわかりやすく伝え、理解が進んでいるのかを確認しながら、内容によっては違う切り口で話したりするようになったと語っていました。

 その後は、今回のイベント参加者5、6人で1グループとなり、そこに美瑛プロジェクトの関係者が1グループに1人ずつに別れて入って話をしました。ちなみに人事担当でもない私は、行政チームとして美瑛町職員の方を囲んで話を伺いました。受け入れ側のいろいろな話を聴かせていただきました。内容は内緒です。

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最後に、お楽しみの中原先生によるラップアップ。

あらためて、美瑛プロジェクトについて、リーダー、リーダーシップ自体の研究は成熟しているが、リーダーをどう作るかという点はまだまだ。リーダーシップを開発する理論の最前線を歩きたいと思ったことが、このプロジェクトを引き受けた理由であること。

そしてリーダーシップの開発には、リーダーの個人の資質や行動を改善するアプローチ(個人が対象)と、リーダーシップをチームの中に生まれる社会的な現象ととらえるアプローチ(組織が対象)の2つがあること。

前者は、リーダー個人に何らかのハードなチャレンジを与え、その能力や行動を顕在化し、リフレクションし、アクションする。後者は、チーム(組織)の中で、あるときはリーダーであり、あるときはフォローワーとなる。その現象を体験しながらリフレクションし、アクションする。ただ、実は対象が違うだけで、その他は同じであるという解説がありました。

そして研修の最後には、研修参加者同士で、スパイシーなフィードバックを行ったそうです。各社において一目置かれているトップ人材に、誰がスパイシーなフィードバックができるのか。他人だから見えてくる。違う組織だから見えてくる。次回は、これをもっと増やしていくというお話もありました。 

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※写真は私が美瑛町で写真家中西敏貴さんに撮影について教えてもらいながら撮影したものです。

nipek.net

ここからは私個人のリフレクションです。

美瑛プロジェクトですが、会社を超えた連携の経験。価値観、視点などが違う上下関係もないメンバーで、チームで課題解決に取り組む経験を通じて、教えられるのではなく、自ら考え、行動し、振り返りをする中から本当のリーダーシップを発達させていこうという取り組みであり、あわせて経験から学びを得る場を作るために、人事部自ら美瑛プロジェクトを作り上げたのは本当に大変だったと思います。そして、先にご紹介した研修参加者の言葉は、まさにその経験をしたことを物語っています。

ただ、地域課題の解決という点について、行政の視点からは、少し違う面も感じられます。正直なところ、地域課題解決に対して、当然、自治体内部でも取り組んでいます。自治体が本当に求めているのは、アイデアだけでなく「誰が」実行するのか、ということです。いくら良いアイデアでも、実際に動いてくれる人がいなければ無意味です。お金を出せば誰かがやってくれる…わけではありません。そもそも財源も限られています。

個人的には、地元美瑛町にある、地域課題解決に実際に取り組んでくれる「人」をみつけ、その「人」たちが自ら活動できる地域課題解決提案を一緒に考えて出すことができれば、より実効性のある地域課題解決の提案を実現できると思います。そして、企業の社員とは違う背景、価値観をもった地元の人たち、実際に美瑛町を良くしたいと思っている地元の人たちとも課題解決提案を話し合うことができれば、さらなる多様性の中でもまれるわけで、さらにリーダーシップを発達させていくことにもつながるのではないかなと思っています。

さいごに、美瑛の写真家であるケント白石さんをご紹介したいと思います。ケント白石さんは、OS X-Mountain Lionの壁紙に採用された、美瑛町にある「青い池」の写真の撮影者です。その後、iOSの壁紙にもなったので、iPhone/iPadのお持ちの方は壁紙を探してみてください。

Blue Pond - The WallPaper for Apple Inc. by Kent Shiraishi / 500px

そのケント白石さんのブログで、今回の美瑛プロジェクトのことが紹介されています。

blog.goo.ne.jp

そして、提案がきっかけのひとつとなり、美瑛町からの依頼を受けて、ケント白石さんが青い池のライトアップに取り組まれたようです。偶然かもしれませんが、美瑛プロジェクトの提案が、地元の写真家と出会うことで、実際に行動につながって実現したのです。

blog.tripro.me

リーダーシップ研修のプロジェクトにそこまで求めるのは無理かもしれません。けれど、美瑛町にいる「人」という資源と結びつけることも視野にいれていただけると、提案した地域課題解決案が実現する可能性が高まると思います。

おまけですが、青い池ライトアップが終了したのちのケント白石さんのブログ投稿をご紹介して、この報告会の投稿を終えたいと思います。

blog.goo.ne.jp