異業種社員チームによる「(美瑛町)地域課題解決プロジェクト」報告会に参加してきました(その2)。

(前投稿より続く)

ブレイクの後、美瑛プロジェクトの関係者、具体的には、ファシリテーター、フィールドワーカーとして関わった各社の人事担当者、研修参加者、そして研修の舞台となった美瑛町役場職員の方がステージにあがり、中原先生がインタビューしていきました。
各社の人事担当者から、美瑛プロジェクトに参加した理由として、他流試合、他社の社員とともに取り組むことが違いに気づくこと。ヤフーの本間さんと何かやったら面白そうといった声がありました。
また、フィールドワーカーとして研修参加者の各グループに張り付いた方からは、単語一つから各社で意味が違うため、その認識あわせからしていたチームがあった。企業側の目線と地元美瑛町の目線が違う。このことに関係して中原先生からは、東京で考えて美瑛で調べてこいという話になってしまう。そこをどう切り抜けるかがポイントとの指摘がありました。
研修参加者からは、参加のスタンスが、地域課題解決をしたいという人、リーダーシップ研修ということで参加した人など、温度差があったということ。また、言葉(用語)の意味、話や仕事のスピード、企業文化が違うなど、背景を共有していない研修参加者同士がゼロからチームビルディングをし、課題に取り組んでいくことは非常に困難であるという話がありました。

ある研修参加者は、この経験を通じて、会社の中でもできるだけ自分の言葉をわかりやすく伝え、理解が進んでいるのかを確認しながら、内容によっては違う切り口で話したりするようになったと語っていました。

 その後は、今回のイベント参加者5、6人で1グループとなり、そこに美瑛プロジェクトの関係者が1グループに1人ずつに別れて入って話をしました。ちなみに人事担当でもない私は、行政チームとして美瑛町職員の方を囲んで話を伺いました。受け入れ側のいろいろな話を聴かせていただきました。内容は内緒です。

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最後に、お楽しみの中原先生によるラップアップ。

あらためて、美瑛プロジェクトについて、リーダー、リーダーシップ自体の研究は成熟しているが、リーダーをどう作るかという点はまだまだ。リーダーシップを開発する理論の最前線を歩きたいと思ったことが、このプロジェクトを引き受けた理由であること。

そしてリーダーシップの開発には、リーダーの個人の資質や行動を改善するアプローチ(個人が対象)と、リーダーシップをチームの中に生まれる社会的な現象ととらえるアプローチ(組織が対象)の2つがあること。

前者は、リーダー個人に何らかのハードなチャレンジを与え、その能力や行動を顕在化し、リフレクションし、アクションする。後者は、チーム(組織)の中で、あるときはリーダーであり、あるときはフォローワーとなる。その現象を体験しながらリフレクションし、アクションする。ただ、実は対象が違うだけで、その他は同じであるという解説がありました。

そして研修の最後には、研修参加者同士で、スパイシーなフィードバックを行ったそうです。各社において一目置かれているトップ人材に、誰がスパイシーなフィードバックができるのか。他人だから見えてくる。違う組織だから見えてくる。次回は、これをもっと増やしていくというお話もありました。 

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※写真は私が美瑛町で写真家中西敏貴さんに撮影について教えてもらいながら撮影したものです。

nipek.net

ここからは私個人のリフレクションです。

美瑛プロジェクトですが、会社を超えた連携の経験。価値観、視点などが違う上下関係もないメンバーで、チームで課題解決に取り組む経験を通じて、教えられるのではなく、自ら考え、行動し、振り返りをする中から本当のリーダーシップを発達させていこうという取り組みであり、あわせて経験から学びを得る場を作るために、人事部自ら美瑛プロジェクトを作り上げたのは本当に大変だったと思います。そして、先にご紹介した研修参加者の言葉は、まさにその経験をしたことを物語っています。

ただ、地域課題の解決という点について、行政の視点からは、少し違う面も感じられます。正直なところ、地域課題解決に対して、当然、自治体内部でも取り組んでいます。自治体が本当に求めているのは、アイデアだけでなく「誰が」実行するのか、ということです。いくら良いアイデアでも、実際に動いてくれる人がいなければ無意味です。お金を出せば誰かがやってくれる…わけではありません。そもそも財源も限られています。

個人的には、地元美瑛町にある、地域課題解決に実際に取り組んでくれる「人」をみつけ、その「人」たちが自ら活動できる地域課題解決提案を一緒に考えて出すことができれば、より実効性のある地域課題解決の提案を実現できると思います。そして、企業の社員とは違う背景、価値観をもった地元の人たち、実際に美瑛町を良くしたいと思っている地元の人たちとも課題解決提案を話し合うことができれば、さらなる多様性の中でもまれるわけで、さらにリーダーシップを発達させていくことにもつながるのではないかなと思っています。

さいごに、美瑛の写真家であるケント白石さんをご紹介したいと思います。ケント白石さんは、OS X-Mountain Lionの壁紙に採用された、美瑛町にある「青い池」の写真の撮影者です。その後、iOSの壁紙にもなったので、iPhone/iPadのお持ちの方は壁紙を探してみてください。

Blue Pond - The WallPaper for Apple Inc. by Kent Shiraishi / 500px

そのケント白石さんのブログで、今回の美瑛プロジェクトのことが紹介されています。

blog.goo.ne.jp

そして、提案がきっかけのひとつとなり、美瑛町からの依頼を受けて、ケント白石さんが青い池のライトアップに取り組まれたようです。偶然かもしれませんが、美瑛プロジェクトの提案が、地元の写真家と出会うことで、実際に行動につながって実現したのです。

blog.tripro.me

リーダーシップ研修のプロジェクトにそこまで求めるのは無理かもしれません。けれど、美瑛町にいる「人」という資源と結びつけることも視野にいれていただけると、提案した地域課題解決案が実現する可能性が高まると思います。

おまけですが、青い池ライトアップが終了したのちのケント白石さんのブログ投稿をご紹介して、この報告会の投稿を終えたいと思います。

blog.goo.ne.jp